子どもとのこと

東京に豪雨が降った日、私は子どもと羽田空港にいました。

大学生とはいえ、英語は話せないし、海外も初めて。

それでもたった一人でロサンゼルスへ出発していきました。

夢のための、大きな一歩です。

不安や心配もきっとたくさんあったはず。
それでも、挑戦したい気持ちやワクワク感が胸いっぱいに広がっていたのだと思います。

私は言いたいことはいくらでもありました。でも、黙って見守っていました。
この子がどんな決断をするのか、楽しみだったからです。

悩み、考え、自分で決断したことが、何より立派だと思いました。

出発ロビーを通っていく後ろ姿や、飛び立つ飛行機を見ながら、親としてどんな気持ちがするだろう・・とその時を静かに待っていました。

でも、子どもには今一番大切な人がいて、その人も見送りに来てくれるから・・

「そうなんだね。じゃあ、先に帰った方がいいね。気をつけていってらっしゃい。」と意外とあっさり、私は羽田空港をあとにしました。

さっきまで豪雨と雷で、「こんな日に飛行機で出発するなんて・・」と思っていましたが、
雨は止み、すっかり明るい空が広がっていました。

心理を学んでから、私自身の気持ちに変化がありました。
それは、自分の子どもであっても、私の所有物ではないということ。
つまり、子どもは私とは別人格であり、私が「正しい」と思うことが、必ずしも子どもにとっての正解とは限らないということです。
だからこそ、その意見を尊重し、勇気を持てるように、子どものそのままを受け止め、見守ることが大切だということ。
そして、たとえその決断がうまくいかなかったとしても、自分で考え、選択、行動した、その結果に責任を持つということ。
どんな小さなことでもいいのです。その繰り返しこそが、子ども自身の心を育て、自立へと繋がっていくのだと気がつきました。

空港をあとにした時の明るく澄んだ空のように、子どもの人生も希望に満ち、広がっていきますように・・

私自身も子どもを信じ、子どもからも信じてもらえるような存在でありたい。
そして、私が決断したカウンセラーというこれからの人生を、真っ直ぐ進んでいきたいと思います。

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酒井 のり子
酒井 のり子
あなたが、あなたらしくいられるように、そのお手伝いができたら、とても嬉しく思います。

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