交流分析と心の状態
交流分析(TA)は、私がこれまで何度か学び
そのたびに新しい気づきをもらいながら、今も学びなおしている心理理論の一つです。
カウンセリングの場だけでなく、日常の人との関わりの中でも
ふと立ち返ることがあります。
学びを重ねるうちに、交流分析は
「人を評価したり、分類したりするためのもの」ではなく
「自分や相手を理解し、関係をより穏やかに整えるための視点」
なのだと感じるようになりました。
交流分析では、人はそのときどきで
異なる心の状態から人と関わっていると考えます。
この心の状態を「自我状態」と呼び
どれが良い・悪いというものではなく
状況や関係性の中で自然に現れるものとして捉えられています。
たとえば
相手を気遣い、支えようとする自分。
冷静に状況を見て、判断しようとする自分。
素直に喜んだり、不安になったりする自分。
私たちは日常の中で、こうした複数の心の状態を
無意識のうちに行き来しながら人と関わっています。
交流分析を学んで、まず見えてきたのは
こうした自分自身の心の動きでした。
そして次第に、家族や友人、職場での人間関係の中でも
「この人は今、どんな思いや受け止め方で関わっているのだろう」
そんなふうに、相手と向き合うようになってきました。
その結果として
「今、この人はどの心の状態から関わっているのだろう」
と、少し距離をもって受け止められるようになっていったように思います。
エゴグラムを通して見た私自身の傾向は
NP(養育的な親の心)が比較的強い、というものでした。
共感し、寄り添い、相手を思いやる姿勢は
人と関わるうえでの大切な力だと感じています。
一方で、学びを深める中で、こんな気づきもありました。
「よかれと思って」の関わりが、知らず知らずのうちに
相手の領域に踏み込みすぎてしまうこともあるということ。
思いやりのつもりの関わりが
相手の主体性を弱めてしまうこともあるのだと。
この気づきは、自分自身の在り方を見直す、大きなきっかけになりました。
自我状態は、生まれ育った環境や人生経験
これまで担ってきた役割の中で
長い時間をかけて形づくられてきたものです。
そのため、気づいたからといって
すぐに変えられるものではありません。
変わろうとするとき、抵抗を感じることもあります。
交流分析では、そうした抵抗に気づくこと自体も
大切なプロセスの一つとして考えます。
目標を意識すること。
今の自分にとって、どんな心の在り方が必要なのかを知ること。
強みを活かしながら、足りない部分を少しずつ育てていくこと。
その積み重ねの中で、変化はゆっくりと起きていくのだと思います。
最近、久しぶりにエゴグラムを行う機会がありました。
その結果を見て
人との距離の取り方が、以前より自然になってきたように感じました。
相手を大切に思いながらも、必要以上に踏み込みすぎず
少し落ち着いて関われている。
関係の中で、一歩引いて全体を見る余裕が生まれてきたのかもしれません。
交流分析は、自己理解を深めるだけでなく
人との関係の中で、自分の立ち位置や関わり方を
そっと見つめ直すきっかけをくれる理論です。
人との関わりの中で、少し立ち止まりたくなったとき。
「今の私は、どんな心の状態から関わっているのだろう」
そして「相手は、今どんな状態にいるのだろう」
そんなふうに静かに問いかけてみることが
自分にも相手にも、穏やかな関係へとつながる
小さなヒントになるのかもしれません。
投稿者プロフィール

最新の記事
心理のこと2026年1月24日人生というメタファに、今の私のリズムを
日々の暮らし2026年1月23日横浜支部の先輩と、心がほっと和らぐお茶の時間
日々の暮らし2026年1月22日富士山の気持ち
子どもとのこと2026年1月21日マーチングがつないでくれた、二十歳の朝


