『箱の中の羊』を観て考えたこと 〜悲しみと心の防衛~

ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
心理カウンセラーの酒井のり子です。

昨日、是枝裕和監督の最新作『箱の中の羊』を観てきました。

綾瀬はるかさんと千鳥の大悟さんが夫婦役を演じ
子どもを亡くした親が息子の姿をしたヒューマノイドと暮らすという
少し先の未来を描いた作品です。

観終わった後、カウンセラーとして、一人の親として深く考えさせられました。

『星の王子さま』の「箱」が問いかけるもの

タイトルの由来でもある『星の王子さま』は
私自身も子どもと一緒に何度も読み返した思い出の一冊です。

作中で飛行士が王子さまに
「君の欲しい羊は、この箱の中にいるよ」と伝える場面があります。

映画に登場するヒューマノイドもまた
残された人々が自分の願いや悲しみを詰め込むための「心の箱のように感じられました。

大切なのは、どれが正しい解釈かではなく
その人がその箱の中に何を見ているのかということなのかもしれません。

悲しみから逃げることは、心を守るための防衛

カウンセリングの現場でも
同じ出来事を人によってまったく違う形で受け止めることがあります。

一見すると現実逃避やとらわれに見える行動も
「そうしなければ心が壊れてしまう」という
心からの切実なメッセージであることは少なくありません。
それは弱さではなく、その人なりの自己防衛なのだと思います。

カウンセラーとして大切にしたいこと

そのような深い葛藤を抱えた方に対して
私は「正しさ」で判断しないことを大切にしたいと感じています。

「現実を受け入れてください」という言葉は正論かもしれませんが
その人の心の支えを奪ってしまうこともあります。

だからこそ、その行動の奥にある悲しみや痛みに目を向け
「何を守ろうとしているのか」に耳を傾けたいと思います。

おわりに

『箱の中の羊』は、未来の技術を描きながら
人の悲しみや愛情、喪失と向き合う姿を描いた作品のように私は感じました。

そして、人は皆それぞれの「箱」を抱えながら生きているのかもしれません。
その箱の中に何を見ているのか、どのような世界を感じているのか。

その人の見ている世界に寄り添うことの大切さを、この映画を通して改めて深く感じました。

 

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酒井 のり子
酒井 のり子
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